福祉施設では労働者が働く時間の長さがしばしば問題になっている。長時間労働を余儀なくされている現場が多く、改善が最大の課題として掲げられてきた。その過酷さによって福祉に携わっていきたいと考える労働者が減ってしまっているからである。福祉施設では人材が不足しているのも一人一人の労働者が働かなければならない時間を延ばしている原因であるため、悪循環が生まれてしまっていることは否めない。しかし、ITを使った改善に成功しているケースが増えてきているので、就職先や転職先を検討するときには覚えておいた方が良い。
ITを使うことによってデスクワークの負担が軽減され、労働時間を短縮できるようになったという例が多くなっている。残業中に行っている仕事のほとんどがデスクワークという現場が多く、自動化して行える作業をITによって増やすことで負担を軽減するのに成功しているのである。また、引き継ぎの情報を電子化して管理することにより、次の担当者がいつでも情報を把握できるようにするのも功を奏している場合が多い。引き継ぎに使う時間が最小限に抑えられるだけでなく、次の担当者が現場に行くまでの間に情報を確認することもできるからである。
これに加えて、システム上で適切なシフト管理ができるようになった影響も大きい。現場の長が派遣の人材などを状況に応じて活用することにより、常に必要な人数の人材がシフトに入っている環境を作りやすくなったからである。